TVアニメ『ACCA13区監察課』公式サイト

アニメACCA5周年&COMPACT Blu-ray発売記念上映会オフィシャルレポート&写真公開!

2022年12月11日、東京・TOHOシネマズ日比谷にて、アニメ『ACCA13区監察課』の放送5周年と『ACCA13区監察課 & Regards』COMPACT Blu-ray発売を記念したキャスト舞台挨拶付き上映会が開催された。今回登壇したのは、リーリウム役の遊佐浩二さんパイン役の安元洋貴さん。上映会は「遊佐さんセレクション回」と「安元さんセレクション回」に分けられ、二人が選んだお気に入りのエピソードがそれぞれ上映された。

1回目の遊佐さんセレクションは、1話「もらいタバコのジーン」、第9話「牙を剥く優美な黒蛇」、第10話「空のない街に降る星」、第11話「フラワウの花は悪意の香り」の4本。上映後に行われた舞台挨拶では、改めて各エピソードを振り返っていった。まず、第1 話について遊佐さんは「これを観ないでどうするの、という話ですよ」と、すべての始まりとして絶対に外せない回と語る。また、作品全体が持つお洒落感がよく表れているのも選んだ理由だったとのこと。第1話が収録されたのは2016年。当時のスタジオはレギュラー陣だけでなく各区の区長などゲストキャストもベテラン揃いで、その雰囲気から“大人のお芝居”ができる作品だと感じたことを遊佐さんは振り返る。

続く第9話は、リーリウムとグロッシュラーの関係性が明かされる回なので、終盤に向けて外せない回として選んだとのこと。リーリウムとグロッシュラーの間に緊張感が走る名シーンもあり、安元さんは「リーリウムが遊佐さんである意味がわかる回」と語る。

また、フラワウ区が描かれた第10話には、リーリウムの兄弟たちが登場。兄を井上和彦さん、弟を佐藤拓也さんという“濃い”面々が演じていることも話題となった。

第11話は、フラワウ区でジーンをかばったニーノが撃たれるという衝撃回。最終話を前に大詰めを迎えていくという意味で、ここも外せなかったと遊佐さんは語る。

そして、ここで観客へのサプライズ! ジーン役・下野紘さんからのボイスメッセージが届けられた。『ACCA』ファンの皆さんに声を届けたいということで、下野さん自身の希望により急遽用意された今回のメッセージ。ジーンというキャラクターや『ACCA』は下野さんにとっても特別な存在だという、熱い思いを語るものとなっていた。

後半のトークでは、改めて『ACCA』という作品の魅力に触れていったが、全12話で物語が綺麗に完結していく展開に、遊佐さんは「表面で描かれていることだけではない“余白”が気持ちいい作品」と語る。また、オノ・ナツメ先生の原作を読んでいたという安元さんも、様々な映像表現や音楽が加えられた本作を「アニメ化した意味がすごくあった作品」と振り返る。

その他に、過去に何度か開催された朗読音楽劇や、差し入れのおやつが充実していた収録現場の様子など、これまで『ACCA』に携わってきた中での色々な思い出が語られていった。


2回目は遊佐さんと安元さんが登壇後、まずは下野さんのボイスメッセージから披露。1回目とはやや違い、今回は観客に向けて上映前の期待を高めるメッセージとなっていた。

安元さんセレクションは、7話「夜霧にうかぶ真実」、第8話「翼を広げた王女と友のつとめ」の2本と、OVA『ACCA Regards』。パインは見えないところでオウルと関わっていたこともあり、作品の裏側に触れる部分が多いラインナップとなった。第7話について安元さんは「この辺りが話の転換点なので、僕の中では大事な回でした」と語る。ジーンと王家との繋がりが見え始めたことで、作品全体の雰囲気の変化にも触れられた。

続く第8話は、ニーノの過去が明らかになるエピソードだが「作品全体にとっての重要回として選ばなくてはならない回」と語る安元さん。ジーンとニーノの関係についても「友情という言葉では片付けられない」とのこと。また、特徴的な演出や音楽表現が多かったことから、遊佐さんは放送当時「この回はアニメで観たほうが伝わるものが大きい」と感じたことを振り返る。

ラストはOVA『ACCA Regards』だが、これは「パインとして選ばなくてはならない回」とのこと。TVシリーズのエピソードの裏側にあったパインの行動が描かれているため、安元さんは「これがあったから、パインという役柄がさらに腑に落ちた」と語る。

また、ジーンの後輩パロットなどオリジナルキャラクターも登場したが、ここではニーノの恩師であるヴィントの魅力が話題に。心に響く名ゼリフが多いヴィントだが、遊佐さんはヴィントを演じる西村知道さんが収録現場で見せた素晴らしい芝居を振り返る。

そして、このOVAは朗読音楽劇とリンクし、それぞれが補完し合っているとも言えるため、「双方を併せて楽しんでほしい」というのが、安元さんと遊佐さんの共通の思いだった

 

後半では自身が演じるキャラクターについても振り返っていき、安元さんはパインについて、裏のことを知っていると匂わせてはいけないため「何もない人」でいようと思ったとのこと。含みを感じさせず、大きな体のビジュアルに沿ったものをやろうと心がけていたことを語った。

一方の遊佐さんも、リーリウムについては先の展開をわからせてはいけないため、グロッシュラーとの対立関係や5長官内でのバランスを見て、芝居的に押したり引いたりするさじ加減が難しい役だったと語る。

また、そのほかのキャラクターについては、遊佐さんは貴族感あふれるパスティスがお気に入りとのこと。お気に入りという意味で安元さんが挙げたのはモーヴ。最終話の演説シーンでのカッコよさが印象的なモーヴだが、安元さんは「それだけではない人間味があり(演じたのが)田中敦子さんでよかった」と感じたとのこと。5長官では「曲げない部分を持っているところがカッコいい」と、スペードの名を挙げた。

最後に『ACCA』という作品そのものについて、安元さんは「夏目監督をはじめ、『ACCA』を本当に好きな人たちが作っているので、そういう熱のある作品に関われたことが幸せです」と。遊佐さんも「自分も作品のファンになっている部分があるので、出ていないエピソードも通して観たくなる。そういう作品に携わらせていただいて有り難いなと思います」と語る。また、会話劇や丁寧な描写で見せる『ACCA』を“贅沢な作品”と評する二人は、それぞれにまたこの作品に関われる機会があることを願いつつ、今回のイベントを締めくくった。