TVアニメ『ACCA13区監察課』公式サイト
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朗読音楽劇『ACCA13区監察課 Regards』
上映会レポート

2020年2月16日、東京・新宿ピカデリーにて朗読音楽劇『ACCA13区監察課 Regards』の1日限定上映会&舞台挨拶が開催された。本作は台風の影響により公演が中止となり、出演者とスタッフの安全を確保した上で映像収録のみが行われもの。そのためステージの模様を『ACCA』ファンに披露するのは、この日が初めてとなった。約2時間の上映後、パイン役の安元洋貴さんとオウル役の上田燿司さんがステージに登壇。『ACCA』の上映イベントには初出演の二人が、朗読音楽劇とOVAで描かれた新作について語った。

冒頭、今回の公演が中止になった時のことを振り返り、「頑張って作った公演なので、めちゃくちゃ悔しかったんです。それがこうして、人の目に触れていただける形になって本当によかった」と語る安元さん。この日はOVAの1週間限定上映期間中だったこともあり、「朗読音楽劇とOVAは互いに補完し合っている作品なので両方を観てほしい」と伝えた。
また、TVシリーズ終了時にはスタッフもキャストも何らかの形で『ACCA』をやりたいと話していたため、上田さんは新作の企画について「正直、またやるでしょ?(笑)」と思っていたとのこと。その内容に期待をふくらませていたと語る。

今回の朗読音楽劇では出演シーンが多かったパインとオウル。安元さんは5長官で最年少のパインと同じく、自身も5長官キャストで最年少なので「そんな現場、今日びあります!?」と笑いつつ、それだけベテラン揃いで贅沢な朗読音楽劇だからこそ、やるからには形(映像)に残したかったと語る。上田さんも映像収録について、必要最低限なリハーサルを経て一発本番に近い流れで本番を迎えたため、不思議な緊張感があったと振り返る。

そんな二人が共に素晴らしいと絶賛したのは、アーティストたち(ONE Ⅲ NOTES、結城アイラ)のライブパートだった。無観客の会場で、自分たちは芝居に集中することを意識していたが、アーティストたちは目の前に観客がいることをより強くイメージしながらパフォーマンスしていたようだったと語る。
また、朗読音楽劇の見どころのひとつである生演奏との共演については、完成度の高い音楽と芝居の“間”を合わせることに、贅沢さを感じていたと振り返る。音楽も魅力の作品なだけに、今回の映像は映画館で上映した方がいいと皆で話していたとのこと。上田さんは「できるだけいい(音響)環境で観てほしかったですからね」と語り、ライブシーンで盛り上がれるように応援上映会をやってもいいのでは…という話も。そして「機会があれば、本当にまた朗読音楽劇をやりたいです」という安元さんの力強い言葉には、大きな拍手が上がった。

一方、OVAの見どころとしては、オリジナルキャラクターの存在を挙げた二人。なかでもニーノの恩師として登場するヴィントのシーンについて、安元さんは「ぜひ高校生に観てほしい」と語る。上田さんはヴィントを演じた西村知道さんの芝居が持つ魅力に触れるが、そうしたベテラン揃いの現場を「『ACCA』はキャスティングをケチっていないですからね(笑)」と振り返る安元さん。OVAの収録が楽しく進められたことや、終わったあとには夏目監督も交えて皆で飲みに行ったエピソードなどを明かした。

また、OVAでのパインについて安元さんは「パインは“何もしない”を一生懸命やっていたけれど、それがバレちゃいけない人」と解説し、だからこそ飄々と、何も変わらずにやることが自身のテーマだったと語る。
上田さんはオウルについて、彼の素性がわかった上でのエピソードだったので、どの辺りの気持ちで演じるかを考えたとのこと。互いの真意を打ち明け合ったパインとの関係性では、「パインの人柄を見抜き敬意を持って接している部分と、年齢的にはオウルが上なので物事を俯瞰した余裕ある部分とのバランスを意識していました」と語った。

朗読音楽劇とOVA、双方の『ACCA13区監察課 Regards』について、たっぷりと語った安元さんと上田さん。イベントの最後、上田さんは「我々も『ACCA』が大好きで、やらせていただいています。何度噛みしめても美味しい作品になっていますので、長く愛していただけると有り難いなと思います」と語り、安元さんは「朗読音楽劇はこれまでに2回やりましたが、どこを切り取っても面白くなる作品なので、またこういう形でやれたらいいなと思いました。そうなるためにもOVAをよろしくお願いします。そして、TVシリーズも皆さんの周りに広めてください」と締めくくった。